担降り

私はとある男性アイドルグループが好きです。

どのアイドルグループが好きかはあまり隠すつもりもないですが、タイトルがタイトルなのでほのめかすくらいの表現で失礼します。

とある事務所に所属しているとある6人組アイドルが好きです。


担降りに関する話の前に、私がその人たちを好きになったときや経緯を語りたいと思います。

必要はないかもしれませんが、個人的に整理する為にここに書き記していくことをお許しください。



その人たちの存在を認知するようになったのは、2年前の8月頃だったと記憶しています。

前々から存在はもちろん知っていたのですが、メンバーの顔と名前が数人一致する程度の認識だったのであまり興味はなかったのだと思います。

そもそも今から8年ほど前に私の家庭を滅茶苦茶にした男がそのグループのリーダーに顔がそっくりだったので、完全にとばっちりでそのグループのことは我が家ではあまり好まれない話題になっていました。

今思い返すとそのせいか他グループのメンバーの顔と名前は一致するのにそのグループだけは一致しなかったように思えます。


そんな全く触れることの無い環境で何故私がそのグループに触れたかというと、とある人気アニメの主要キャラに似てる!というコメントが数多くあり、そのアニメが好きな私は、好きなキャラ達に似ているという三次元アイドルグループのことが気になり始めました。

きっかけなんてそんなもんですね。


そして私は彼らの唯一の帯番組を見たり音楽番組を見たりして10月頃には全員の顔と名前が一致するようになっていました。

ちょうどその頃、バイト先でグループは違えど同じアイドルオタクに出会えたので、仲間も出来たことで楽しく過ごせたのも大きいと思います。

このときにはすでに私の中に1人の推しがいました。

(まだ男性アイドルに染まり切ってなかったので、まだ「推し」って言っていました)


その推しが、今回私が担降りした「自担」です。

約2年間、ずっと心の奥底で支えていてくれた自担は自担ではなくなりました。


元々アニメオタクだった私は、1つの漫画やアニメに留まることはないタイプのオタクでした。

主ジャンルという、その人にとって木の幹や根のようになっているアニメや漫画のことを言う言葉があります。

私にはそれがなかったんです。

長くても1年くらい続けばいい方なくらい、私は飽きっぽいんです。

先程述べた人気アニメも半年経てば主ジャンルと呼べるほどの熱はなくなっていました。


そんな冷めやすい私が2年間も同じグループを、1人の人を軸として好きでいたんです。

私の中では奇跡のような出来事なのです。

それでも半年前からグループの他のメンバーに揺れていたのですけれど。

でも心の奥底に自担がいるから安心してふらふらと「今あの人がかっこいい…!」とか「今〇〇推しの時期」とか「△△くんと自担で揺れてる」とか言えたのだと思います。

(※私の中で自担と推しは少し違う意味のものになっています)


3月に初めて発売日にCDを買って、5月にファンクラブに入って、8月にNEWアルバムを買って特番を見て、10月にコンサートに行って…年がかわって2018年になってまたCDを買って9月にまた特番を見て…2018年はあまり動きはなかったですが、それでも楽しく彼らを応援していました。

その間も自担はずっと自担で、グループを好きになったときから好きだから、彼が奥底にいないでグループを好きでいるのが想像出来ないとまで思っていました。



そしてつい先日のことなのですが、自担に熱愛が発覚しました。


彼らは既婚者が多いグループです。

数少ない独身な自担が熱愛となってもなにも不思議ではありません。

実際私も「ついにか!」と思っていました。

というよりも、ついにか!と思うだけでショックな気持ちも祝う気持ちも無かったのです。


特に自担の熱愛に何も思うことなく過ごしていましたが、何回も見ている録画した番組を見ているとなんとなく違和感があります。

わかりやすく「違和感」と言っていますが、違和感というほど明確ではないです。

不定期に訪れる推しがかわる時期みたいな、私の中ではよくある違和感のようなものでした。

今までと唯一違うとすれば、心の奥底にいる自担が小さくなっていました。

変わらず支えていてくれた自担は、少しずつ小さくなっていきました。


それが確信に変わったのは一昨日、ライブDVDを見ていたときです。

今まではそのときの推しと自担を交互に見ていましたが、もう自担のことは見ていませんでした。

もう追う目線が、一緒に見ていた母の目にも明らかだったようです。

今まで「あんたは〇〇くん〜!とか言ったりしてるけど、絶対なんだかんだ自担のことが好きだよ!」と言っていた母が「今もう自担のこと好きじゃないっぽいね」と言ってきました。親ってすごいなぁ。

そしてライブの最後、自担が観客に向かって投げキスをして終わるのがお決まりでして、今までどんなに揺れていようとその映像を見たら「自担は自担」ってなっていたんです。


「みんなのこと、愛してる!」と言いながら投げキスとウインクをして舞台からはけていく自担。

ときめきませんでした。


いや、グループのファンとしてはときめいているんです。

ただ、今までのように一番好きなメンバー、自担としてときめくかと言われると全然なのです。

このとき私は「あ、もう私自担を自担って言えない」と思いました。

担降りを決めた瞬間でした。



基本的に私は熱愛とか全然肯定派ですし、誰が誰と付き合おうが勝手だと思っています。

誰だって恋はするものですし。

だから私は、本当は担降りするにしても熱愛がキッカケは絶対に嫌だったんです。

だってそれは、その人が好きになったことやその人の好きな人、あと熱愛肯定!と言っている自分も否定しているのと同じじゃないですか。

(個人的な意見ですけど…)

でも理屈がどれだけそう言っていても、本能は自担はもう自担じゃないって言っているんです。

素直に担降りした方が他のファンの方、そして元自担にも失礼じゃないと思うんです。


そんなこんなで私は元自担の担降りをします。

新しい自担はもうなんとなくですが決まっているのでグッズなどを買うときには困らなさそうです。

元自担のことはもちろん嫌いになったわけはなく、グループの一員として一個人のアイドルとして大好きですし応援しています。

ただ彼のうちわを振ることはなくなったと言うだけの話です。




吐き出したい気持ちで書いたこの拙い文に付き合ってくださりありがとうございました。